BCネットワークは,アメリカ認定の非営利団体です。 日米両国に在住の日本人女性達に乳がんに関する最新の情報 、乳がん治療後の生活の取り組み、乳がん早期発見、 啓発情報発信を押し進めていく非営利団体です。 Knowledge is power.  正しい知識は患者自身の力、支えになると信じて活動しています


日本の遺伝性乳がんへの考察と経験ストーリー

2013年5月15日

山本代表と主治医のシュナベル医師(ニューヨーク大学病院乳腺外科教授)

BCネットワーク代表の山本眞基子の遺伝子検査の経験談です。アンジェリーナジョリーさんの発表を受けての考察です。
医師だけでなく、遺伝子検査経験者からの意見がこれからの日本における活発でバランスのとれた意見交換のきっかけとなる事を願っています。

『特定非営利活動法人ジャムズネット東京』から許可を得て,抜粋しています。

かまくら湘南記念病院の土井卓子先生のご意見はこちら

遺伝子検査の経験者、乳がん患者からのストーリー

 米国の乳がん遺伝子検査、予防的手術、再建術に関する、乳がん患者としての遺伝子検査経験談考察

私の住むアメリカ、ニューヨーク付近の地域では,

医療保険(65歳以上の国民保険、低額所得者向け保険も含む)を持っている方の場合、乳がん告知をされた方については遺伝子検査は保険でカバーされますので、ここ2−3年は受けるのが常識になっています。乳がん患者の遺伝子検査は、①疾患した乳房のみを治療する,②もしくは両側とも予防も含めて切除するか、③卵巣を取り除くか を決定する際の指針になります。

アンジェリーナさんの場合は、乳がん告知されてはいませんが、母親が40歳代で卵巣がんにかかり、10数年の治療の後56歳で亡くなったと記事にあります。彼女は,第一親等に乳がん患者がいたことになります。米国の場合、近親者(母親,祖母、叔母、伯母、叔父、伯父)に乳がん患者がいる場合,本人の乳がんへの危機意識から、あるいは両親から勧められて、専門医に定期検診に受診することを勧められています。なお、彼女のように現在乳がん患者でない場合の遺伝子検査の費用(有料か無料か)は、加入している保険会社により異なります。近親者(母親、兄弟、その上に祖母)にかなりの遺伝子があると考えられる場合には、遺伝子検査が無料になる事もある様です。

ちなみに、乳がんサバイバーである私は、

8年前、娘がまだ13歳の際に乳がん肺転移を告知され,乳腺外科医から遺伝子検査を受けるように7年前に勧められました。しかし、その際は遺伝子検査しませんでした。なぜなら,私は転移患者の為、年に数回の体全体の定期検診、治療を行っている為,早期発見の必要性がない、そして一番重要だった事は、私がブラカの遺伝子或る事が判明しても,13歳の娘西てあげられる事は何も無かったからです。そして、娘が大学に行った時点で遺伝子検査を受けることにしました。
その理由は、大学に入学した時点では、娘の近い将来の検診時期を決定する指針になるからです。そして,昨年2012年春に遺伝子検査を受けました。
結局、遺伝子検査で異常はなかったのですが、私の乳腺外科医の主治医のドクターシュナベル医師(NYC Cancer Institute, NYC Langone Medical Center、ニューヨーク大学乳腺外科教授) に今後、娘は25歳くらいに基本となるマンモグラム検査を受け、その後毎年医師による触診をするべきであると指摘して頂きました。そして,これからの娘の人生の中で毎年検診を受けやすいように、大学入学の1昨年に付属の大学病院で若手の産婦人科医師に娘と一緒に検診し、私の病歴を娘の婦人科医に
説明してきました。
アメリカでは産婦人科医の医師も毎年の検診の時に,乳房の触診をしてくれます。

さてアンジェリーナさんの場合は、

遺伝子検査を受けて、BRACA 1 遺伝子に異常があったそうですが、現在のアメリカでは、全摘出手術だけが選択肢ではありません。彼女のように母親など近親者に乳がんが多いため、予防的に遺伝子検査を受ける女性も多くなってきていますが、検査結果が陽性だった場合、もう一つの選択肢として、若い時からの、より頻繁な定期検査とTamoxifen 薬を飲む事を勧める場合もあるようです。しかし,全摘出手術の方が,乳がん発症率を低くできるとも記載されています。

私見ですが,アンジェリーナジョリーさんの場合、

頻繁な検査を毎年するのが、女優という職業柄困難だと考えたのではないでしょうか。そして、乳がん発症率の低い全摘出手術を選択したのではないかと想像します。彼女の場合は,一般女性より財政的にも気軽に、いかに乳がん発症率を下げるかという事だけを考えて決断できたのだと思います。
アンジェリーナジョリーさんと普通の医療保険を有している一般女性との相違は美容整形部門でしょうか。腕のよい美容整形外科医に再建してもらうのと、そうでない場合とは結果が違う可能性は高いと考えられます。

今回のアメリカ女優さんの乳がんに関しての決断は日本に

良い意味で国、医師,医療関係者、患者、すべての遺伝子検査、治療に関係してくる人たちが、意見を出し合って,話あって
最終的には患者さん,もしくは遺伝子を持っているかもしれない人たちによりよい自分にあった,自分で決断した治療ができる方向に行く事を願っています。

2013年5月15日 
BCネットワーク 山本眞基子