
Young Japanese Breast Cancer Network
Updated 2010-03-08
〜調査結果からみえてきたこと
医療法人湘和会 湘南記念病院 乳癌甲状腺センター長
土井卓子先生
乳がんは近年増加傾向が著しく、現代女性の20人に1人がかかると言われる疾患です。しかし、自分が乳がんであると診断された時の患者さんは、「なぜ私が乳がんにかかるの?」「何かの間違いでしょう?」「私が乳がんになるはずはない!」と晴天の霹靂というほどに驚き、簡単には診断結果を受け入れられないのが実状です。どのように自分の疾患を受け入れ、最適な治療法を選択し、治療中くじけそうになる自分の気持ちを支えていくのか、これらは乳がん患者さんにとって大きな問題です。
特に乳がんは他の疾患と比べて、「女性らしさが失われる」「醜くなってしまうかもしれない」「金銭的にも大きな負担をかけて申し訳ない」と患者さんが感じやすく、それによって「パートナーに素直に甘えられない」「こうしてほしいと言えない」と思ってしまう面があるのかもしれません。一方夫も、妻が乳がんであると言われればうろたえ驚き、まるで腫れ物に触るように接してしまうことも多いようです。しかし、乳がん治療を乗り越えていくには、妻と夫が二人三脚で足並みを揃え、一緒に立ち向かっていくことが必要です。
今回の、夫または妻である患者さんへの乳がん治療についての意識調査から、二人の間にある意識の溝をどうすれば埋められるのか、いかに上手に“がんサバイバー”になれるのかを検討してみました。
妻が乳がんであると告知された時、夫の77.5%は命に危険があるのではないかと心配し(患者さんは59.0%)、患者さんの54.0%は乳房がなくなるのではないかと心配していました(夫は39.2%)。つまり、夫は何よりも命についての心配をし、妻は乳房がなくなることを命の危険と同じくらい重要視していたのです。
また、告知されてから手術までの期間、ほぼ半数の夫は「何をサポートすればよいかわからなかった」「どのように接したらよいかわからなかった」と答え、妻への接し方に戸惑っていたことがわかりました。しかし、妻は「なるべく普通に接してくれる」ことが、実は嬉しかったようです。やがて治療が開始されると、夫も「普通に接する」ように心がけ、妻もその点を評価するような変化がみられました。治療が進むなかで、二人が上手に向き合えるようになっていったことがわかります。
乳がんにかかるというのは辛いことです。しかし、この経験を通して相手を見直すきっかけを得たり、きずなが深まったり、互いを気遣うようになったという答えも多くありました。普段は何気なく過ぎてゆく日常ですが、がんという疾患に直面して生命には限りがあることを思い出した時、夫婦で生きていくことの意味を再認識し、ともに“がんサバイバー”になれるのだと実感できる結果でした。この調査結果を、互いの気持ちを理解するために役立てていただければ、これ以上嬉しいことはありません。
調査結果2009年1月作成
「安心して乳がん治療を続けるために」
ブリストルマイヤーズ(株)
より抜粋
調査結果はこちらをクリック
http://www.bms.co.jp/nyugan/family/family_ques.html