Updated 2010-07-23
Harvard Women’s Health Watch September 2008.
ホットフラッシュ(ほてり)や、睡眠障害は、タモキシフェンや、アロマテーゼ阻害薬(アラミシン、フェマーラなど)などの乳がん治療薬、または、再発防止薬の副作用としてよく起こる事です。エストロゲンの投与(ホルモンセラピー)が一番効果的なのですが、乳がん患者や、乳がんにかかる可能性が高い女性には、乳がんを再発・発病させてしまう危険があるため、それをする事が出来ません。 その他のほてりを緩和するオプションとしては、効果もエストロゲンほどではなく それぞれの副作用あるとされているますが、ハーブ、抗うつ剤や癲癇・けいれんの治療薬があります。
最近、2008年6月にLancet Oncology(アメリカの腫瘍内科に関する発表雑誌)で 乳がん患者の小さなグループでSGBによって副作用無しでひどいホットフラッシュや、夜中に目覚めることをなくしたと研究結果が発表されました。SGBとは首のある神経を麻痺させる方法で、更年期後の女性のホットフラッシュの緩和にも効果があると推測されます。
このSGBをホットフラッシュ治療としてされるようになったは最近になってのことですが、顔や、頭、首そして上腕の痛みを和らげるためには、長い間安全な治療として施されてきました。この施術では、首にある星状神経節(Stellate ganglion )という神経細胞に麻酔薬を注入します。星状神経節は、血液の流れ調節し 体温をを一定の温度に保つ事を司る脳の部分につながっています。
イリノイ州のAdvanced Pain CenterのDr. Eugene Lipov医師は、乳がんを経験し現在かかっていない13人の女性に対しX線映像を用いながらSGBを首の右側に施術しました。10分間という短時間で局部麻酔という簡単さです。 施術の1週間前から12週間後の間、その女性たちはホットフラッシュの頻度と程度を記録しました。施術後2週間ほどでホットフラッシュは、週に平均80回から50回くらいに減り、夜中に目覚める回数は、週にで20回から7回くらいに減りました。そして施術後3ヶ月すると、夜中に目覚める回数は週に1回、ホットフラッシュはなくなったという事です。13人のうち5人は、1回のSGBだけ、残りの8人は8回の施術を必要としました。この手術後の副作用はホルネル症候群というまぶたが少し下ることが施術後数時間ある以外、殆どないということです。
この研究結果については未だ初期の段階で、乳がん患者にとって合併症を起こさず有効であるかについては一層の研究が必要です。(Dr,Lipov医師は、2005年10月のJournal of Women’s Healthに多数の閉経した女性たちの実験結果も同様であったと発表しています。) この施術には特別な訓練を要し、1000ドルから3000ドルと高額で、健康保険が適応されないことがあります。又この麻酔薬にアレルギーや副反応が出ることがあることなどがこの手術の欠点ではあります。将来、麻酔薬を星状神経節に注入するのではなく、高周波パルスを使い、その安全性と有効性を研究する事になっています。