Updated 2008-08-25
Bad Cancer Tests Drawing Scrutiny
ウォールストリートジャーナル 2008年1月4日
By Anna Wilde Mathews
何千人もの乳ガン患者が、誤った治療を受けている可能性があります。これはラボが患者にどのような薬を処方するかを決定するために行う、二種類の検査によって引き起こされるものです。
この検査は、乳ガン罹患患者である女性にジェネンテック社のハーセプシンやグラソスミスクライン社のタイカーブを処方するのか、もしくは抗ホルモン剤であるタモキシフェンやアストラゼネカ社からの新薬であるアリミデックスやファスロデックスを処方するのかなどを決める助けになるものです。
医薬品会社は、患者の乳がんの特徴や病状にあわせて薬を処方できるよう、さらなる薬の開発を進めています。1998年に市場に登場したハーセプシンに関しては、乳ガン患者全てに対してではなく、特定の症状を持った人達の為に開発されたため、称賛を浴びました。
しかし最近の研究ではそのような薬を処方するための最初の検査に関して、思わぬ問題にぶつかっています。これらの薬が正しく処方されるべきかどうかの判断は、正確な検査に左右されるからです。
「私たちは全ての検査が上手く行われているという想定をしていました。しかしこれが間違った想定であったということが分かったのです。」と保険会社ユナイテットヘルスグループの副社長で、医師のリー・ニューカマー氏は言います。ユナイテットヘルスを含む、アテナ、ウェルポイントなどの保険会社は、他の医師もしくは別の病院においての乳ガンのセカンドテスト(別の医療機関での検査による診断)に関して医療費用をカバーすると話しています。しかし、ユナイテットヘルスのニューカマー氏が支払いを行うと言う一方、セカンドオピニオン(別の医療機関での同じ検査)の実施を依頼した医者はわずか数人に留まっています。
アメリカンキャンサーソサエティーによると、2007年度アメリカで乳ガンと診断されたのは17万8千人にのぼります。ハーセプシンや抗ホルモン剤を処方するかについての検査は、その他の検査に比べるととてもはっきりと結果がでるものではありません。病理学者が顕微鏡で組織を調査し、判断するのです。妊娠検査のようにイエスかノーでシンプルに分かるようなものではないのです。
検査の一つに患者の腫瘍細胞にHER2と呼ばれるプロテイン一定以上含んでいる細胞がないかを調べる検査があります。もし患者がHER2を持っていた場合、ハーセプシンはその細胞を破壊するのを手助けします。またその他のテストとして細胞の中にエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンを受ける受容体があるかを調べます。これらのホルモンは腫瘍を大きくする助けをしてしまうため、もしこれらの細胞があれば医者は多くの場合タモキシフェンという薬を処方しホルモンの抑制やブロックを行います。
カレン・イベスターさんは、フロリダのボカ・ラントンにある建設会社でマネージャーを務める女性。2002年に初めて乳ガンの診断を受け、右胸からビー玉くらいの腫瘍を取り除きました。50歳になるイベスターさんは、地元の研究所でハーセプシンやホルモンセラピーは必要ない(ネガティブ)と診断されました。そこで彼女はキモセラピー(化学治療と放射線治療を受けることになりました。
昨年インベスターさんがゴルフマッチの最中に肋骨部分に痛みを感じ医者に掛かりました。そこで医師が彼女のせき髄に癌が再発していることを発見しました。新しい腫瘍からはなんと以前の結果と異なり、ホルモンセラピー治療に関してポジティブである(必要性がある)というという結果がでました。驚くことに、2002年に発見された腫瘍を再検査すると、ホルモンセラピーがポジティブという結果がでました。彼女の現在の医師であるチャック・ボーゲル氏は「タモキシフェンを初期段階で使用していれば、癌の再発を防ぐことや遅延することができた可能性があります。」と言います。
インベスターさんは「検査の結果が誤りだったということに対し、本当に心から憤慨し、怒りました」と言う。「このような大事な検査結果が間違っていたということが起こったのです。私は誤診のせいでで癌再発の防御方法を失ってしましました。検査の結果が正確であったならば、癌の再発にどれだけの違いをもたらせたでしょうか」と話す。
2006年、HER2テストに関してジェネンテック社から研究報告書が出版されました。ジェネンテック社は全国内の研究所が行うテストを行う経験を持つ大手の研究所です。その報告によると、HER2検査結果でポジティブと診断された14〜16%が実際ネガティブであり、ネガティブだと診断された18〜23%がポジティブであったということが分かりました。
ニューファウンダーランドにある研究所では、ホルモンテストに問題があるということが発覚してから、2005年から2006年の間に763名の患者の細胞を再検査しました。問題のある検査を監督するニューファウンダーランドにある研究所、イースタンヘルスオーソリティーは、政府の要請と患者からの訴訟などのから、この問題に関しての原因はコメントできないと発表しています。しかしこの件に関して当局は追跡調査を行ったといいます。
研究所で再検査された際、エストロゲンテスト(ホルモンの事)でネガティブと診断された患者の105人がポジティブでした。アナリストはポジティブであると診断された場合ほとんどが正確な診断であるということも発見しました。
シアトルにある研究所フェノパスでチーフ病理学者であるアレン・グロウンさんは「もし私たちが妊娠検査でこのような確率の不正確性があったならば、検査は市場からとっくに放り出されているでしょう。この結果は多くの女性が誤った治療を施されているということを示唆しています。」と言う。続けて、「フェノパスで様々な方法を用いながら乳ガンの検査をおこなった際、結果の正確性は少なくとも95%でした」という自信も見せます。
アメリカではこのような懸念から、研究所検査ビジネスを監督・管理するよう求める動きが、国会や消費者団体によって高まっています。研究所の検査は、遺伝子検査の増加とベイビーブーム世代が年を取ったことによって、年々増加傾向にあるからです。ワシントンG-2レポート国務局によると、2007年には全ラボの総利益は6.5%上昇し、5億1千700万ドル程となっています。
「私たちは診断治療薬が基本的なものとなる未来を目指しています」とジェネティックの副社長パメラ・クレイン氏。彼女は、研究所検査は改良し続けているのだとも言います。
全ての処方箋はFDA(米国食品医薬品局)の承認がいりますが、研究所には薬品の開発と試験を行う自由裁量権を持っています。FDAは特定の試験用具の一式の使用を定めているけれども、ラボはその過程を調節することもでき、オリジナルの方法を実施するのには、承認はいりません。
ラボ業界の当局者は、このような柔軟性が新たに生起する科学を迅速に患者の救済につなげられるのだと話しています。また当局者はラボによる試験は2年ごとに外部の調査官によって、監視をうけるべきだと言います。検査過程と監視局は存在するため、うまくいくはずだ。と業界団体であるアメリカンクリニカルラボラトリーのアラン・マーツ氏は言います。
ジェンザイム社の遺伝子チームの総長であるマラ・アスピナル氏は「私たちの業界を全体のシステムはとても良好なものです。そしてより良いものになっています。」と言います。また彼女の研究所においての検査には大変自信があると続けます。
しかしながら、HER2とホルモン検査キットの診断テストと装置メーカーであるダコデンマークで研究開発の副総長を務めているロルフ・アーンストーム氏によると、「研究所が検査装置通りのアドバイスに従っていれば、より検査は画一化した方法なるはずなのです。私たちは全ての研究所に対して品質保証が高く、画一した方法を推し進めるべきだと考えています。」と言う。
ラボを管理する米政府機関のメディケアとメディエイドサービスの医療チーフを務めるバリー・M・ストラウブ氏によると、彼らの代理機関であるラボは、厳しい品質管理の条件を元に検査を行っていると言います。現在ラボは、外部で83タイプのテストについての技能試験を受けなければなりません。1992年につくられたこの技能試験のリストには、乳ガンについてのテストや、最近開発されたその他のテストがまだ含まれていません。
ストラウブ氏は「私たちはリストにテストを追加しようと検討中です。特に乳ガンに関する2つの検査は候補になっています。」と話す。しかしながら、「一般的には、技能テストよりも監視をするということがとても重要なのです」と意見しています。
今年から、アメリカン病理学学会では、HER2試験を実施する際に、ラボから技能チェックの監視を受けることにしました。同大学とHERr2テストのガイドラインを発行した癌医療アメリカンソサエティーによると、20%に及ぶHER2の試験が適切に行われていないと言います。この二つの団体はその他の乳ガンテストも検査し始めると言うことです。
いくつかの業界幹部は、試験が適切に行われていないという事実を受け入れようとしていません。医薬品メーカー、アストラゼネカでガン医療調査のエグゼキュティブディレクターをつとめるジョセフ・パーヴィス氏は、「ホルモンテストに問題があると言うような証拠を今まで目にしたことがない。」主張します。また「患者さんのほとんどが検査のクオリティーに関して心配することはないでしょう。」と言います。
しかし病理学者とガン専門医師は、特定の試験に経験が浅いラボでは、小さな行程がどれほど結果に影響を及ぼすのかということを理解していないのですと言います。ホルモンテストに関しては、細胞組織のサンプルをどれだけ加熱するかと、どの保存剤を利用したによって結果がかわるということが分かりました。
ソルトレイクシティーの医療団体インターマウンテンヘルスケアの病理学者は、どの曜日に患者が手術を受けたかによって検査結果がことなるということを発見しました。冷蔵庫に保存されていた細胞組織や、週末に渡って保存剤が入っていた組織は、迅速に検査されたものと明らかに結果が違っていたのです。インターマウンテンは、発覚以来検査方法を変えました。
非営利の医療研究団体、国際外科補助・胸部と腸部プロジェクトで病理学部門のディレクターをつとめるスンミョン・パイク氏はホルモンテスト方法が現在“カオス”(混乱)状態にあると指摘します。「それぞれのラボが異なった方法と基準をもって検査を行っているため、結果をポジティブ(異常あり)に導いてしまっているのです。」
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