Updated 2008-08-25
乳癌には明らかに遺伝子的要素があるが、Silent Spring InstituteとSusan G. Komen for the Cureの最新の研究によると「特定の環境への日常的な接触やライフスタイルが重要な要因となる可能性がある」という。この研究はAmerican Cancer Societyの学会誌「Cancer」で発表され、動物の乳癌の原因になる216の一般的に知られる化学物質を取り上げ、「大方の癌」が環境的要素に影響されるという研究を含む医学文献を再検討している。
Francesca Lyman 記(MSN Health & Fitness
)
研究者によって識別された乳癌の原因として疑われる12個の物質
一般的で強力な乳房の発癌因子リストの最初に挙げられているのが車両排気成分である。リストには、女性だけでなく男性の乳癌にも関連する燃焼生成物であるPAHs(多環芳香族炭化水素類、polycyclic aromatic hydrocarbons)も含まれている。
車両排気成分のように、たばこの煙は多くのPAHsの源である。これらのPAHsにはEPA(環境保護庁、Environmental Protection Agency)によって変異原性遺伝子変異の原因となり得るという意味を持つだけでなく「人間の発癌因子となる可能性のある」物質とされるジベンゾ[a,h]アントラシン(dibenz[a,h]anthracene)が含まれている。この物質はジベンゾ[def,p]クリシン(dibenzo[def,p]chrysene)のような癌の原因となる多くの物質を含有している。
車両排気成分と同じように精油所や石炭工場による大気汚染も乳癌や他の多くの病気に関連している。ニューヨーク州のエリー郡やナイアガラ郡における大気汚染の研究によって、PAHs値の高い地区の近隣に出生地がある更年期後の女性は乳癌になる危険性が高いことが発見された。研究者はこの傾向を評価するために1960年代まで遡って大気汚染のデータを調査した。その結果、幼い時期に高レベルのPAHsに接した場合に更年期後の乳癌のリスクが高まる可能性が示唆された。
アルコール摂取量を制限すれば乳癌のリスクを減らすことができるというのが定説だが、新たな研究によって飲酒と乳癌はより深い関係があることがわかった。ワインやエール・ビール等のアルコールに癌の原因となる自然物質—primarily urethanes—が発見された。322,647人の女性対象に六種の調査が行われ、その最新分析からアルコール摂取が10g増えると乳癌のリスクが9%高くなることがわかった。
食物は作物への殺虫剤散布、家禽や他の肉類への抗生物質の使用、蓄牛、羊や豚へのホルモン剤注射によって汚染されている可能性がある。中には体内のエストロゲン値を高めて乳癌のリスクを増やす可能性がある食物もあるとして、Silent Springの研究者はこの領域でさらなる調査を行った。アメリカ合衆国で販売されているミルクには(カナダやヨーロッパでは禁止されている)インシュリン様成長因子1が含まれており、女性への乳癌発生リスクを高める可能性がある。また、グリルで焼いたり、焦がした肉や魚には、グリルで焼いている間に自然に生じる様々な突然変異誘発物質が含まれている。
かなりの高温で調理されたフレンチフライ、パン、シリアルからはアクリルアミドが検出されており問題である。同じようにポリスチレン(スタイロフォーム)の入れ物から出るスチレンによる食物汚染も憂慮される。魚はまた、焼却によって発生するダイオキシンだけでなく、乳癌に関連があるとされてきたPCBのように、かなり前から使用禁止されている種々の化学物質によって汚染されている可能性がある。
2005年の国家毒性プログラム(National Toxicology Program)によって、エックス線とガンマ線は人間の癌の原因になると類別されたが、電離放射線は長い間非常に有力な乳癌の環境リスク要因と考えられてきた。
私達はレントゲン検査、マンモグラフィーや他の放射線医薬品治療でエックス線をあびている。こうした技術は大変な恩恵をもたらしているが、不必要なエックス線照射を避けるべきである。
自然光のガンマ線による放射線への照射線量は多いが、同時にビタミンDの(増加させるという)恩恵も与えてくれる。 航空機での旅行では太陽光線に接近し雲や微粒子からの遮光も少なくなるので放射線を多く浴びる。電子発電所近隣の居住者や労働者、または大気圏内の核兵器実験時代(1945−1980)の生存者にもガンマ線の照射線量が累積している。 国家毒性プログラムはこれらの放射線量の減少を提示している。
女性の体内にある自然なエストロゲンが乳癌のリスクを高めることは研究者も広く認めているが、人工のエストロゲンとプロゲステロンがリスク増加に関与していたことが最近わかったことである。
Millon Women Study と Women’s Health Initiative の調査結果によると、更年期障害の症状緩和を目的とするホルモン補充療法が女性の乳癌リスクを高めることが確認された。
米国食品医薬品局(The U.S. Food and Drug Administration)は、乳癌のリスクに比べエストロゲンやプロゲステロンを摂取する恩恵があるのか医師に相談すること、また、ホルモンを補充することにした場合、ホルモン摂取が「最低量で最短になる治療計画」を導入するよう勧告している。
浄水に使用される殺菌剤は細菌を殺すことで病気を予防してきた。 しかし、Silent Springの研究者は塩素消毒の殺菌副産物がげっ歯動物(ねずみ類)の乳房腫瘍の原因になると警告している。 また人間の癌の原因としても確証されている。 その上、アメリカの飲料水は殺虫剤とドライ・クリーニングからの化学物質で汚染されていることも判明した。
汚れ防止や防災目的の化学物質は、カーペット、家具、衣料品、調理用品、化粧品
潤滑剤、塗料、接着剤等、生活の場にある。 アメリカで広範な血液サンプルから検出されたペルフルオロオクタン酸(PFOA)は動物の乳癌の原因になることがわかり現在も調査中である。
Silent Spring Instituteの研究者は、ペンキ除去剤、ワニス、木材シール剤、洗濯洗剤、ドライ・クリーニング剤、浄化槽洗剤等も人間への発癌物質として列挙している。
職業別の調査は主に男性を対象としているが、数少ない女性労働者対象の調査で各種石油系溶剤にさらされている女性は乳癌になる確率が高くなることがわかった。特に化学薬品工場、ドライ・クリーニング店、ヘアー・ドレッサー、衛生検査所や科学研究所、電子産業等の労働者に多く見られた。 Silent Springの研究者によると、ガソリンスタンドのガソリンから、また、ガレージや地下室に保存してある地芝刈り機や他の器具等から発生するベンゼンは、有力な乳癌危険因子である。
軽度または中度の高血圧の治療に使用されるレセルピン(Reserpine)から、肺水腫のフルオセミド(Furosemide)まで全ての多様な処方医薬品が動物の乳房腫瘍を引き起こすことがわかっている。 多くの抗癌剤も人間の発癌因子とされている。 他の医薬品に関しては「ブラウズ」機能の「the study’s」をチェックして下さい。
2003年に連邦のCenters for Disease Control and Preventionは、環境化学物質への危険性の調査結果を報告している。アメリカの人口比を表出するように有志者を選択し、血液や組織から検出された有毒で癌の原因になる116の化学物質を明示している。その化学物質の中には、乳癌に関連する多様な殺虫剤、焼却によって発生するダイオキシン等がみられる。
私達の「肉体への負荷」は軽くできるだろうか? Silent Springの研究者は、工業用化学薬品の副産物への「回避可能な」露出はできるだけ減らすように推奨している。 例:洗剤やシャンプーの混入物質である1,4ダイオキシンや蛍光増白物質は動物の乳癌の原因とされてきた。 Silent Springnの研究者はヘアダイや化粧品に使用されているほとんどの化学物質が健康への影響を調査する対象にならなかったことに対して異論を唱えている。
Francesca Lymanは、The Greenhouse Trap and Inside the Dzana-Sangha Rain Forestの著者であり、環境問題に関する本を執筆している。著書はThe New York Times, The Washington Post, また雑誌 Ms. Magazine, Seattle Metropolitan MSNBC Online, This Old House, Horizon Airで取り上げられている。
Susan G. Komen for Cure −
1982年、乳がんで亡くなった姉 Susan G. Komenを記念して妹のMs. Nancy G. Brinkerによって設立された、乳がんサポート団体 www.Komen.org
Silent Spring Institute−
マサチューセッツ州のNewtonにあり、環境と女性の健康(特に乳がん)に関する調査をするNon-Profitの団体 www.silentspring.org