Updated 2008-08-25
By Denise Grady (ニューヨークタイムズ 2007年3月28日号)
乳ガンの罹患者、及び罹患のリスクが高い女性に対して、MRI検査を推奨する報告書が本日2つ発表された。
この検査は、健康な女性に対してではなく、乳ガンになるおそれがある患者にのみ推奨されている。
この新しいMRI検査の推奨によって、年間に100万人以上の女性に対して磁気を使用した検診が推奨されるとみられているが、検査のできる放射線科医の数が十分ではないと研究者は話している。
研究者によると、検査には、特別な機器とソフトウェア、そして訓練された放射線科医が必要で、大都市以外での検査は難しいであろうと語る。
MRIは$1000(11万8千円/ $1=118円以下同) から$2000(23万6千円)、時にはそれ以上の料金がかかり、マンモグラフィー(乳房X線撮影)の費用に比べると10倍、つまり、100万人が検診すれば、年間10億ドル(約1兆180億円)の費用がかかる。費用は医療保険によってカバーされる場合と、そうでない場合がある。
発表された新しい報告書の一つは、乳ガンになる確率が高い女性に対してMRI検査を行う指針。もう一つは、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの研究で、片胸が乳癌と診断された女性のもう片方の胸に、マンモグラフィー診断では発見できなかった腫瘍が、MRIでは発見できたという研究報告だ。
しかしMRIにも欠点がある。マンモグラフィーよりも敏感に診断がなされ、すべての疑わしい要因を探し出す為、検査の必要が陽性の腫瘍に対して、検査と生検を繰り返す可能性がある。
罹患リスクの高い女性であれば、検査と生検を繰り返し、陰性や陽性を確亀なくてはいけない検診は受け入れられるかもしれない。
しかしながら、平均的なリスクしかない女性には、不必要な検査と生検を繰り返す可能性があるため、MRI検査は推奨されない。
Society’s journal CAにおいて米国癌学会から「臨床医の癌ジャーナル」の中で、ハイリスクの女性は、1年ごとにマモグラムとMRIの両方をとるべきであると言う新しいガイドラインが発表された。
乳癌の、高い罹患率というのは、生涯に20%から25%以上の乳癌罹患リスクを持つ人と定義されている。(アメリカ合衆国の女性の平均的罹患率は12%から13%)
罹患率の高いグループには、BRCA1か BRCA2の遺伝子突然異変を持っているか、女性自身に遺伝子がなくとも、女性の娘や姉妹が遺伝子突然異変を持っていれば、罹患率の可能性が高まる。
これらの突然異変遺伝子は一般的ではなく、乳癌全体の10%以下の原因に留まっている。しかし、これらの遺伝子をもつ女性は罹患リスクが36%から85%まで高まる。
それに加え、TP53またはTPENと呼ばれる、より稀な突然変異遺伝子をもつ女性や、ホジキン病のような疾患のために10歳から30歳までに胸に放射線治療を受けた女性には、MRI検査を受けるよう勧められている。
遺伝子突然変異が確認されなくとも、女性の娘や姉妹など、とくに近親に乳癌の罹患者がいる場合も罹患のリスク高いと言われている。
女性やかかりつけの医者は、乳癌の罹患確率をいくつかのオンライン計算機によって概算することが出来る。
シンプルな乳がんにかかる確率の計算はこちらでhttp://www.cancer.gov/bcrisktool/ 利用できる。
エリザベス・モリス博士は、(マンハッタン、Sloan-Kettering記念病院で乳癌MRIに関するガイドラインを作成、ディレクターを務める専門家審査員の一人)「異なる数種類の計算機を使うと、それぞれに全く異なる結果が出ることがあるため、結果の解釈に医者からのアドバイスが必要になるかもしれません。」
「誰がMRI検査を受けるべきか、という判断はとても困難です。たくさんの判断義務がかかりつけの医者に掛かっています。罹患率が高いと思っている女性の多くは、実は罹患率が実は高くないという場合があります。」 とモリス博士は言う。
癌協会は、特定の条件を持つ女性に対して、MRI検査を推奨するのか、しないのかという判断基準について、今まで十分な情報が無かったと話す。
マンモグラフでは、乳癌が見つけにくい、乳腺の密度の高い女性や、過去に乳癌に掛かった女性、carcinoma in situ (乳管内の腫瘍)や)atypical hyperplasia.を持つ人達は、MRI検査を推奨されるべきかどうかがはっきりとしていなかった。
癌ソサエティーのMRI審査ディレクター、ロバート・スミス博士は、新しいガイドラインは、年間100万から200万人の女性患者に対してのMRI検査推奨を生み出すと見込んでいる。
ワシントン大学の放射線学の教授で、ガイドラインの審査員の一人であるコンスタンス・リーマン博士は「たとえMRI検査を提供しているセンターの数がここ5年で増加していても、検査を求める新たな乳癌検査の需要は、キャパシティーをゆうに超えてきました。放射線学会では、放射線医師にMRI検査のトレーニングをし、検査を提供しようと奔走しています。」と語る。
およそ500万人規模の保険を一般の人たちに売っている保険会社の趣旨を守る為の非営利団体である、Pacific Business on Healthの社長ピーター・V・リー氏は 「新しいガイドラインは、正当な証拠に基づき、評価の高い医療グループによって提供されているため、保険会社はおそらく、このMRI検査を保険対象とするでしょう。」「現在、膨大な金額が、不必要なMRI検査に費やされています。しかし検査の必要性を裏付ける調査結果とガイドラインがあるので、それが今後使用できるでしょう。」とリー氏は語った。
しかし患者は、すべての医療機関が、MRI検査をできるわけではく、医療機関の一部が検査を提供しているという点に注意しなければならない。
検査には特別な器材が必要になる。強力な高磁場の磁石と、磁場を生み出すための伝導体コイルを胸の周りに巻きつける。コイルを胸に巻き付け、女性がうつ伏せの状態で胸を特別なテーブルにのせて検診する。
モリス博士は“医療は機関が十分MRI調査を行っているか、また生検が可能かどうか確認しなければなりません” という。
もし、生検を行えない病院で検査をすると、疑わしい結果の出た女性は、また違うクリニックで検査し直さなければならない場合あるからだ。
二つめの新たな報告書では、MRI検査は、片胸に腫瘍が見つかった女性において、マンモグラフで発見できなかった3%のもう片方の胸に存在する腫瘍を発見することができたと発表した。
MRI検査は、片胸にすでに腫瘍を持つ人の、もう片胸の腫瘍発見を助け、第二の腫瘍が見つかった場合、初めからもう一度処置を行うかわりに、両方の癌を一度に治療することができると研究者は語っている。
研究では、片方の胸に癌がある10%の女性が、同様に他の片方の胸で癌を発症することが分かっている。
リーマン博士は「この研究は、乳癌と診断される女性が、MRI検査を受ける利益があるということを裏付けています。我々が重要視するのは、女性の乳癌治療が始められる前に、女性の乳癌について最大限理解をするということです。」と語る。
MRI検査は、過去に乳癌の治療を受けた人ではなく、新たに乳癌を診断された女性に推奨される。
リーマン博士は、「現在、新たに乳癌の診断を受けた女性は、マンモグラフの検査だけをもう片方の胸にも推奨され、MRI検査を推奨されることはあまりない」と言う。
今年、アメリカでは18万人が新たに乳癌の診断をうけることが予測されている。
モリス博士は「現在、一部の外科医は、新たに乳癌を診断されたすべての女性に対してMRI検査が必要だと述べており、また一部の外科医はその必要がないと述べています。」「検査は片方の胸に腫瘍があり、マンモグラフで発見できない高い乳腺密度を持つ若い女性に役立つでしょう」と語っている。
ノースカロライナ大学放射線学の研究と、ガイドラインの研究を行うエッタ・D・ピサーノ博士は「初期の小さな腫瘍や、マンモグラフではっきり分かる腫瘍を持つ女性にとっては、検査はあまり意味がありません。この研究調査結果で、保険会社が、片胸に腫瘍をもつ女性のMRI検査にかかる料金の支払拒否が難しくなるでしょう。」と述べた。
この研究は、25の医療センターで、マンモグラフによって乳癌であると新たに診断された969人の女性に対して行われた。
すべての女性にMRI検査が行われ、グループの3.1%, 30人の女性の、健康であるはずの片胸に癌を発見した。
発見されたほとんどすべての癌が、初期段階で発見され、もう片方の胸と同時に治療することができた。
リーマン博士は、「MRI検査無しでは、後に発見された方の腫瘍は、時間が経った後にしか発見されなかったわけです。そして、もう一度初めから放射線治療、化学療法、そして手術を行わなければならなかったかもしれません。」
付け加えて、「我々はこれらの後期に診断される癌は、最初に診断される癌のようにうまく治療をする事ができない確率が高いです。」と語っている。
MRIの異常により、30人の癌を見つけるために、120人の女性が生検受けた。
つまりは91の健康な人に対しての偽陽性率と、10%の偽陽性生検である。
リーマン博士によると大部分の癌患者が、もう片方の胸に癌があるかを知るために、偽陽性と生検を喜んで受け入れたそうだ。
この研究の費用は、アメリカの国立癌研究所によって支払われた。